みこすり半劇場 甲府幕岩 メルヘンランド
甲府幕岩 メルヘンランドエリアにある “みこすり半劇場”。
初めてトライしたのは2009年の5月、とにかく難しくて最初の核心はまったく越えられなかった。同年、山椒王国エリアの”鉄の爪”を完登してさ。その年の秋に再トライしたらちょいと光が見えたんで2010年のGWに気合いいれてトライしはじめたんだよな。
1番惜しかったトライはその時で、知り合いが沢山見守る中終了ホールド手前の甘カチをカチれずフォールした時さ。
ただ当たり前だけどGWから季節は夏に向かう訳で通う度に状態が悪くなってくる。フォールするポイントが日に日に低い位置になってくるもんだから、気持ちが萎えてきて完登しきれず違う岩場に移動しちまったってぇ訳さ。
完登したのは2011年の秋。あの3.11以降しばらくお外では登ってなかったんだけど、外岩再開した時の目標の1つに”みこすり半劇場”をチョイスしていたんだよな。その年の夏は週末に雨が降るクライマーにとっちゃーブルーな夏でさ、9月にはトライしようってぇ考えてたんだけど直前にトライしていた小川山の”修行僧”の完登に時間を費やしちまって、10月になってからトライ再開。ただ岩の状態を考えたら再開時期としてはこのタイミングが良かったのかもしれねぇな。
ホールドは思ったより細かくねぇけどどれもチクチクトゲトゲしてて指先の皮がえれぇ消耗する。しばらく間をあけてトライする時はまず指皮づくりからスタートしなきゃなんねぇ。というかチクチクトゲトゲを指先に覚えさせなきゃなんねぇんだよ。
核心は3箇所。最初は3本目のヌンチャク周辺のトラバースの仕上げ。次は3本目上のポケット取りから5ピン目のクリップホールドまでの一連のムーブ。そして最後に終了ホールド手前の甘いエッジ取り。おいらが1番難しいってぇ感じたのは最初の核心でムーブの成功は岩の状態にかなり左右されちまう。
それと日中は日当りが良くてさ晴天の昼間はカンカン照りで岩がホカホカになっちまうから午前中か夕方にしかトライできねぇ。ただ午前中の早ぇ時間にトライすると指先がかじかんじまってムーブを続けるのがつれぇ。かじかんだ指先で最終核心突っ込んではじかれた事が数回あったぜ。
おいらがトライしている時、強ぇアニキ達はおいらにこう言ったぜ「ア・ラ・ポテトより登りにくいよ」「甲府幕岩で一番登りにくいんじゃないかな」、、、。
2011年11月13日。お日様が山の影に隠れそうになるタイミングの3トライ目で完登。
隣で”アフリカ象がすき”をトライしていた皆の衆が静寂という応援をくれたのも集中できて感謝感謝だったぜ。
#”みこすり半劇場”5.12c 初登者:高橋 建夫 氏
・左の優しいクラックを登り、中間辺りからトラバースしてフェイスの中央を登る
・ボルト5本、終了ホールドまで中だるみなく厳しいムーブが連続する面白ぇルートさ。
皆の衆もトライしてみちゃどうだい、、、しびれるぜ。
じゃ、またな。