Posts in Category: 思いでのルート

ゴースト・ステップ 池田フェイス

“明日なき世界2004″を完登したおいら、tsukaアニキがトライしていた”ゴースト・ステップ”を触ってみる事にしたぜ。
最初は「数字があがるし弾き返されるだろうなぁ」ってぇ思ってたんだけど、トライ2日目でなんとなくムーブが出来ちまったんだ、、、悪夢の始まりってぇやつさ。

クリップが5箇所のミジカシイ課題。出だしから厳しくてtsukaアニキがトライしてたムーブじゃ離陸できねぇからおいらの得意なムーブを見つけて離陸できるようにしたぜ。各ピンと各ピンの間には特徴のある厳しいムーブが満載で最初のシーズンは離陸してから4ピン目のクリップまでを繋げるので精一杯だったよ。4ピン目のクリップ後に確率の低い一番厳しいムーブがあって、下から繋げるとどうしてもそこでフォールしちまう。2シーズン目からはそんなトライの繰り返しだったよ。

転機は3シーズン目、きっちり届かねぇと思って指先をかけていただけの核心ホールド。思い切ってムーブを修正したらきっちりホールディングできるようになった。
ただよ、きっちりといっても岩の状態によっては次のムーブの途中で指が抜けてきちまうから油断はできねぇ。
核心ホールドをきっちりホールドできるようになってから5ピン目辺りまで繋げられるようになったけどそれでも終了点までは遠かったぜ。

実は染み出しに弱ぇ課題で毎シーズン12月〜3月までトライしてたんだけど、池田フェイスは西南面の杉林の中、寒ぃし岩は冷てぇ。それでも雨や雪次第で核心ホールドからちょろちょろと染み出しが2〜3週間続いちまう、洗車に使う吸水シートを細かく切って詰めた事もあったぜ。

GWまで通ってみようかと思うけど雨や湿度で状態が悪化して全然登れなくなっちまうし、霧雨の日に1人ででかけてフィックスはってムーブの練習した事もあった、東日本大震災で中断したシーズンもあったなぁ、、、、まさに修行の日々ってぇ感じだったよ。

完登は2013年3月2日、一緒にトライしていたPchanのビレイで1手1足集中して取りつきから終了点までよどみなくスタティックにムーブを繋げて完登したぜ。

4年と2ヶ月、、、”ゴースト・ステップ”の完登に費やした時間さ。初めてトライし初めて完登したサーティーンが”ゴースト・ステップ”で良かったぜ。

#池田フェイス “ゴースト・ステップ” 5.13a 初登者:真島康志氏
・中間部が薄っすら被ってる垂壁の課題
・出だしから終了点直下までムーブ満載
・googleで検索すると・・・メルボルンシャッフルダンスっていうのが出てくるけどルート名に関係があるのかな?
ゴースト・ステップ
#”ゴースト・ステップ”をトライするT師匠(杉野 保 氏)
・ロクスノの企画DIGIT(未発表の奥多摩編)の1ルートにとりあげられる予定だったぜ
・トライ2日目、家族で池面ご来訪のこの日に完登
・師匠の評価は「13aじゃちと辛い」
T師匠
#思い出の数々
ゴースト・ステップの思い出
ビレイをしてくれた皆の衆
M師匠
tsukaアニキ
ssさん
N子姐さん
まー様
T-WallのスタッフSさん
P-chan
・・・皆の衆本当に本当にありがとよ。

じゃ、またな。

明日なき世界2004 池田フェイス

“スティンガー”を完登して次なる目標を探していたおいら。”ゴースト・ステップ”の左にある中間支点が4つの短しそうなルートに目が止まったぜ。
100岩には公開プロジェクトと書いてあった。おいらこの「公開プロジェクト」っていうのに燃えた。
けどよ、本格的にトライを開始してから調べてみたら、初登を含め3人。既に登られてたんだってぇいうショックとまだ3人しか登ってねぇのかぁってぇいう気持ちになったぜ。

本格的にトライを開始したのは2007年12月。ルートは苔やら泥やらで自然にかえってたから上から回り込んで懸垂してホールドとして使えそうな箇所をたわしで掃除する事から始めたんだよな。
トップロープでムーブを探り始めて細切れながらムーブは解ったんだけど、どうしても2-3ピン間のムーブがわからねぇ。細かな縦の溝があってそれを使ってその上の水平カチを使うのは想像できるんだけどどうやっても検討がつかねぇ。
その水平カチを使うのは間違いなさそうだからおいら水平カチをホールドしたところからクライムダウンをしてみた。ムーブの逆算ってぇやつかな。そしたらムーブが見えてきて、やっと解決。
後は繋げるだけになったんだけど解決したとはいえ2-3ピン間のムーブはやっぱり厳しくてよ、確率の悪ぃムーブだし、失敗した時のフォールする体勢が悪くて、2ピン目をクリップした後のランナウトで精神的に厳しくて、3ピン目まで繋げられるようになるのに時間がかかったよ。
3ピン目までムーブが繋がるようになると次はクリップの厳しい4ピン目まで、そこを越えてからも高度をあげればあげるほど細かくなるカチの連続とふくらはぎのパンプアップで思うように繋げられなかったぜ。

パートナーが見つからねぇ時はtsukaアニキにシャントを借りてムーブを探りに1人で通った事もあったよ。

そういやぁT師匠家族に遭遇した日もあったなぁ。Rock&SnowのDIGIT奥多摩編(未発表)の対象ルートに”ゴースト・ステップ”をとりあげたみてぇで、師匠はその日の数トライ目に”ゴースト・ステップ”を完登。その後”明日なき世界2004″をトライして4ピン目までつないだところであまりのホールドの細かさに笑いながらヌンチャクを掴んでたっけな。おいらはその日、倅の過剰な「ガンバ」コールのなか終了点にあと1手の惜しいトライの連続、T師匠が下でつぶやいた「あ〜、後1手なのになぁ〜」

2008年12月4日、岩が冷たくなる前にとtsukaアニキにビレイを頼んでその日の2トライ目に完登。
最高グレードの更新、第4登、そして何より何の情報もなく、おいら自身で全てをクリアして完登出来たのが嬉しかったぜ。

帰りは御嶽の玉河屋で祝杯。
酔っぱらったスーツ姿のおじさんがおいらのトレッキングシューズを 間違えて履いて帰ろうとしてたのも良い思い出だぜ。

#池田フェイス”明日なき世界2004″5.12c/d 初登者 小林敏氏
・おいらが4人目。その後に2人の計6人しか完登してねぇぜ(勿論おいらの知る限りだけどな)
・隣の”ゴースト・ステップ”より難しいっていう人もいるぜ
明日なき世界2004
正直マニアックな課題だけど皆の衆もトライしてみてくれよな。
じゃ、またな。

スティンガー 池田フェイス

厳しくて楽しくて、クライミングの要素がいっぱいつまってる。何度登っても飽きない。”スティンガー”はそんなルートだぜ。

湯河原幕岩で”スパイダーマン”を完登し”伊豆の踊り子”のおしいトライを繰り返していた時、プラクライマに”スティンガー”の噂を聞き、メグからトライしていると聞いたんだよな。
M師匠と約束をして初めて池田フェイスに行ったのは2006年1月28日、今思うと一番寒ぃ時に良く行ったなぁと思うよ。

スケールのある見事な垂直の壁、とてもとても静かなエリア、電車と歩きで行ける。そんな池田フェイスがいっぺんで気に入っちまった。その後の池面通いは皆の衆も良く知ってるよな(笑)

ファーストトライはテン山ながらもなんとなくムーブ解決してトップアウト。次のトライでいわゆる核心の手前までを繋げて手応えを感じる事ができた。
次回は登れるだろうってぇ思ってたんだけど完登までに費やしたのは6日間。それまで完登までにかけた最長日数が3日間だったからえれぇ厳しく感じたのを記憶してるぜ。

ルートは18mの垂壁、中間支点は全部で8つでピンとピンの間は適度にランナウトしている。6ピン目まではそんなに難しくはねぇけど、ほどよく前腕がパンプするアプローチってぇ感じさ。そこから終了点までがテクニカルな核心部分でおいらは8ピン目周辺で力つきちまうのを繰り返した。

「・・・終了点は目の前なのに」

直前に完登した湯河原幕岩の”スパイダーマン”と比べても”スティンガー”の方がとてつもなく厳しく感じられグレードに対する考えが変わっちまったぜ。

完登日はその年の4月1日。十分にリラックスして、いつもフォールしていた8ピン目周辺も余裕をもってクリア。そして完登。

難しくそして素晴しいルートを諦めずにトライして完登できた時はそりゃ嬉しかったぜ。
早めにあがってM師匠、プラクライマと3人で澤の井園で一杯やったんだっけな。

#池田フェイス”スティンガー”5.11cd 初登者:三池英治
・写真のクライマーはおいら。
・傾斜はほぼ90°、高さは18m。池田フェイスの一番高いところまで登る綺麗なルートさ。
・上部左のカンテを使わないってぇ限定があるぜ。
・雨後は染みだす事もあるから春秋がベストかな。
スティンガー
皆の衆、奥多摩三ツ星ルートをぜひトライしくれよ。
じゃ、またな。

みこすり半劇場 甲府幕岩 メルヘンランド

甲府幕岩 メルヘンランドエリアにある “みこすり半劇場”。
初めてトライしたのは2009年の5月、とにかく難しくて最初の核心はまったく越えられなかった。同年、山椒王国エリアの”鉄の爪”を完登してさ。その年の秋に再トライしたらちょいと光が見えたんで2010年のGWに気合いいれてトライしはじめたんだよな。
1番惜しかったトライはその時で、知り合いが沢山見守る中終了ホールド手前の甘カチをカチれずフォールした時さ。
ただ当たり前だけどGWから季節は夏に向かう訳で通う度に状態が悪くなってくる。フォールするポイントが日に日に低い位置になってくるもんだから、気持ちが萎えてきて完登しきれず違う岩場に移動しちまったってぇ訳さ。

完登したのは2011年の秋。あの3.11以降しばらくお外では登ってなかったんだけど、外岩再開した時の目標の1つに”みこすり半劇場”をチョイスしていたんだよな。その年の夏は週末に雨が降るクライマーにとっちゃーブルーな夏でさ、9月にはトライしようってぇ考えてたんだけど直前にトライしていた小川山の”修行僧”の完登に時間を費やしちまって、10月になってからトライ再開。ただ岩の状態を考えたら再開時期としてはこのタイミングが良かったのかもしれねぇな。

ホールドは思ったより細かくねぇけどどれもチクチクトゲトゲしてて指先の皮がえれぇ消耗する。しばらく間をあけてトライする時はまず指皮づくりからスタートしなきゃなんねぇ。というかチクチクトゲトゲを指先に覚えさせなきゃなんねぇんだよ。

核心は3箇所。最初は3本目のヌンチャク周辺のトラバースの仕上げ。次は3本目上のポケット取りから5ピン目のクリップホールドまでの一連のムーブ。そして最後に終了ホールド手前の甘いエッジ取り。おいらが1番難しいってぇ感じたのは最初の核心でムーブの成功は岩の状態にかなり左右されちまう。

それと日中は日当りが良くてさ晴天の昼間はカンカン照りで岩がホカホカになっちまうから午前中か夕方にしかトライできねぇ。ただ午前中の早ぇ時間にトライすると指先がかじかんじまってムーブを続けるのがつれぇ。かじかんだ指先で最終核心突っ込んではじかれた事が数回あったぜ。

おいらがトライしている時、強ぇアニキ達はおいらにこう言ったぜ「ア・ラ・ポテトより登りにくいよ」「甲府幕岩で一番登りにくいんじゃないかな」、、、。

2011年11月13日。お日様が山の影に隠れそうになるタイミングの3トライ目で完登。
隣で”アフリカ象がすき”をトライしていた皆の衆が静寂という応援をくれたのも集中できて感謝感謝だったぜ。

#”みこすり半劇場”5.12c 初登者:高橋 建夫 氏
・左の優しいクラックを登り、中間辺りからトラバースしてフェイスの中央を登る
・ボルト5本、終了ホールドまで中だるみなく厳しいムーブが連続する面白ぇルートさ。
20111119-090309.jpg

皆の衆もトライしてみちゃどうだい、、、しびれるぜ。
じゃ、またな。

スパイダーマン 湯河原幕岩 正面壁

2005年12月25日。おいらは湯河原幕岩 正面壁の”スパイダーマン”をレッドポイントしたんだ。
その年の目標だったし、初期に登られたトゥエルブだし。レッドポイントできた時はそりゃぁ嬉しかったぜ。
※現在”スパイダーマン”のある正面壁エリアは登攀禁止です。
2013年10月、正面壁エリアの登攀は解禁されました。詳しくは日本フリークライミング協会のページを確認してください。

その年の3月に同じ湯河原幕岩の桃源郷エリアにある”コンケスタドール”をレッドポイントし、色々な岩場にでかけ色々なルートを登っていた。もっとトゥエルブを!ってぇ気持ちもどこかにあったけどそれまでの経験からしてまだまだ色々なルートを登らねばってぇ気持ちの方が強くて週末は色々な岩場の色々なルートを登っていたんだよな。けどよ8月に小川山で怪我しちまうのさ。家族に夏休み中の4日間連続クライミングの許可を得てガキみてぇにはしゃいじまってたんだろうな。3日目に当時宿題にしていた屋根岩5峰の”JACK参上”にヌンチャクがかかっていてさ、かなり疲労感があったのについついムーブ探りってぇやつをしてたら、ぶちっ!ってぇふくらはぎが肉離れしちまった。

それから約3ヶ月、クライミングを忘れないようにランナウトのオートビレイを使って片足クライミングの日々。肉離れが治ったら年内にこれだけは完登するってぇ決めていたのが”スパイダーマン”ってぇ訳さ。
怪我から復帰してから1ヶ月は有笠山、甲府幕岩、天王岩、聖人岩で慣らし運転して、12月4日に初めて”スパイダーマン”をトライしにでかけた。パートナーは同じ”スパイダーマン”を目標にしていたプラクライマー。

初日はトップロープで探りをいれたところで雨。

2日目は12月10日、トップロープで探りをいれリードしてみたけど完登のイメージがわかなかった。この日プラクライマーとT沢さんにビレイしてもらっている。そうそうアニマル氏のレッドポイントトライをビレイさせてもらったのもこの日だったけなぁ。

3日目は12月25日、プラクライマーと。勝手にスパイダー倶楽部と名付けた方達といっしょにトライして午後一番のトライでレッドポイント。怪我の後でとにかくふくらはぎが疲れやすくレストポイントで足もぶらぶらとシェイクしたこと。ムーブとムーブの境で充分すぎるほどレストして次のセクションをオブザベーションしたこと。終了点から見た相模腕の海がキラキラと綺麗だったこと、、、。
完登後においらのトライを見ていたおいちゃんに祝福され、それだけ有名なルートを登ったんだなぁってぇ完登の実感がわいてきたのも思いでさ。

#湯河原幕岩”スパイダーマン”5.12a 初登者:大岩 純一氏
・写真のクライマーはFJ(2006年11月)
・右のカンテを使わないで登ると”スパイダーガール”
・おいらはカンテを少ししか使わなかったからプラクライマーに”ガール”もいけるんじゃないですかって言われたよ。
※現在”スパイダーマン”のある正面壁エリアは登攀禁止です。
2013年10月、正面壁エリアの登攀は解禁されました。詳しくは日本フリークライミング協会のページを確認してください。


そーいやこの後茅ヶ崎ロックに移動していーづかさんやスラ婆に会ったんだよな。
正面壁また登れるようになると良いな。
じゃ、またな。